【中韓】中国資本による済州島の大規模観光リゾート開発、韓国で疑問の声[01/25]

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韓国・済州島が外資を誘致し大規模開発事業を推進する中、開発のメリットとデメリットをめぐり論争が起きている。
外国人投資の誘致で観光事業がさらに活性化される一方で、無分別な開発で環境が荒らされるなどの弊害が懸念されるとの声が上がっている。

済州道と済州国際自由都市開発センター（ＪＤＣ）が２００６年から現在まで、外国資本を誘致し実際に開発を進める事業は合わせて１２件。
総事業費は５兆６１３３億ウォン（約４７３１億円）に上ると予想される。
このうちマレーシアのベルジャヤ・グループをはじめとする中国資本が８件で、投資額は総事業費の９５．６％に当たる５兆３６３９億ウォンに達する。

済州道としては観光開発促進のためには国内資本だけでは限界があるため、外国人資本を誘致する必要があるとの立場だ。

投資誘致促進のため２０１１年２月から分譲価格５０万ドル（約４５２１万円）以上の休養型リゾート物件を購入した外国人に対し５年間の居住ビザを与え、
それ以降は永住権（家族を含む）を与える制度も運用している。
現在済州島で５０万ドル以上のリゾート物件を購入し３年間居住できるＦ２ビザの発給を受けた外国人は１５６人で、ほとんどが中国人だ。

済州道とＪＤＣは中国政府が自国資本の国外投資を開放した２０１０年から、世界各地で大規模な投資を行っている中国資本の誘致に力を入れている。
サムスン経済研究所が２０１１年末に済州島に提出した「済州国際自由都市総合計画」の最終報告書で、
国際自由都市の付加価値を高め事業推進に必要な資金準備のためには中国人をターゲットにした複合リゾート造成事業（事業費２兆３０００億ウォン）を核心に据え、
事業を推進していく必要があると提案したためだ。

済州島は中国資本と企業を相手にした投資誘致は観光客増加につながると考えている。済州島を訪れた中国人観光客は２０１０年に約４０万６０００人、２０１１年に約５７万人、２０１２年は約１０８万４０００人と増加が目覚しい。

だが、一部市民団体などは無分別な外国人投資誘致に対し否定的な考えを示している。乱開発により済州島特有の景観と環境が大きく損なわれる可能性が高いと主張する。

現在投資が進められている開発事業の面積は、休養型住居団地が７４万４２０５平方メートル、ヘルスケアタウンが７７万８０００平方メートルなどそのほかの事業を合わせると相当な規模に達する。
七つの市民団体は記者会見を開き、中国資本で進められているリゾート開発事業を許可しないよう済州島に求めた。
事業用地が漢拏山自然保護区域から７００メートルしか離れていないことから、生態系や地下水保全地区などに影響が出るとしている。
そのため開発制限高度と地域を設定し、外国資本事業者に対する事前検証を徹底して行うよう求めた。

済州島はこのような批判的な世論に対し、総投資予定事業費の５．９％に当たる３２９２億ウォンが投資された状態で、外資誘致事業の損得を決めるには早すぎるとしている。
このような世論が中国企業と政府に伝われば投資や観光客の減少につながるだけでなく、中国政府が投資を許可しなくなるのではないかと懸念している。
今月２３日に済州道庁で開かれた「済州外国人投資企業協議会」に出席した中国企業関係者は、中国資本に対し良くない感情を持っているなら投資すべきではないと不満を口にした。
済州島は開発事業による副作用軽減のため、租税減額の対象となる投資振興地区指定条件を投資額５０億ウォン以上から２００億ウォン以上に引き上げ、不動産投機予防などの対策に乗り出す予定だ。

済州大学のチョン・スヨン教授は「済州に投資する中国資本が観光開発と不動産に集中し生産的な資本を呼び込めないのは、済州島がそれ以外の分野では投資する魅力がないためだ」と分析した。
外国人投資家の投機対象にならないためには生産的な資本を誘致すべきで、中国企業とパートナーシップを形成し中国が魅力を感じるような済州島の技術を開発すべきだという。
チョン教授は中国が投資の魅力を感じるような環境に配慮した製造業を育成し、そこに関心を持った中国の生産的な資本により多くのメリットを与えるなど、健全な資本を呼び込む必要があると主張した。

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/01/25/2013012501906.html